Cコース 職域・地域架橋型コーディネーター
C-1コース 10月活動報告
- 日時
- 2025年10月19日(日)
- 方法
- 東京大学本郷キャンパスにて対面開催
概要
職域・地域架橋型コーディネーター養成C-1コース 10月講義が開催されました。
10月19日午前「患者・家族の言葉からみえてくるがん療養生活」
東京共済病院 緩和ケア内科 医師 赤穂理絵
10月19日午後「見えない心を可視化する -心理アセスメントによるケース理解 -」
中村心理療法研究室
治療的アセスメント・アジアパシフィックセンター 臨床心理士 中村紀子
受講生の感想
(赤穂先生の講義)
サイコオンコロジーについてほとんど知らない中で、赤穂先生のご経験を具体的に聞かせていただくことができ、大変勉強になりました。ありがとうございました。リエゾンが機能するためには、日頃からの他科との連携があってこそだと思います。患者さんやご家族に寄り添う中で、死を前にしても希望は必ずあること、それは関係性の中にこそ、見つけられるものであるというところに非常に心打たれました。日頃お会いするクライエントさんは、子どもやその保護者が多く、死に向き合う場面は少ないのですが、自分の中で改めて死を考える良い機会になりました。ありがとうございました。
(中村先生の講義)
クライエントにとって、何のためのアセスメントであるのか、検査の奥深さと真の意味を改めて認識できたご講義でした。中村先生がこれまで、どのように心理職をなさってこられたのか、過去のお話を含めて伝えてくださり、自分の力で自分のことを変えていきたいと願う方々にどう向き合うことが大切なのかということがとても心に響くお話でした。今回のご講義で中村先生の心理職の責務感やクライエントへの真摯な思いや情熱を直に感じながら学べたことは、これからの自分の生き方に大きな影響を与えて頂いたように感じます。大変熱心に語りかけて頂いたことは、生涯大切にしてまいります。ありがとうございました。
Cコース 職域・地域架橋型コーディネーター
Cコース合同 9月活動報告
- 日時
- 2025年9月21日(日)
- 方法
- 東京大学本郷キャンパスにて対面開催
概要
職域・地域架橋型コーディネーター養成コースC合同 9月講義が開催されました。
9月21日午前カウンセリングとは何か
白金高輪カウンセリングルーム 臨床心理士 東畑開人
9月21日午後多職種協働における折衷主義から多元主義へ
京都大学大学院医学研究科 教授 村井俊哉
Values-based practiceー価値観の多様性に向きあう実践医療倫理ー
東京大学医学部附属病院 講師 榊原英輔
受講生の感想
(東畑先生の講義)
日常の言葉で語られながらも、深い知識や経験が裏打ちされたお話に感心したり、共感したり、心地よく聴き入ってしまいました。中でも、「生存と実存」「開業臨床における3つのメニュー」のアセスメントの視点、「3つの基準」は、強く印象に残りました。私のような地域のソーシャルワーカーはカウンセリングの導入時期の判断が分からず、ニーズがあれば導入をするのだろうと曖昧な認識でいましたが、火急で環境調整が必要な段階の「今」に問題がある人は、まず「心を可能にする仕事」が選ばれるという事を意識したいと思います。
(村井先生・榊原先生の講義)
身体科で働いていた時よりも精神科で働いている今の方が、日々のケアに悩んだり自分とは全く考え方や方法が違う人がいるなと感じていたのは、きっと精神科の方が患者だけではなくスタッフの目指すところも多様だからだったのではないかと講義を聞いて考えました。しかし、そのような中で協働していくための基本的な態度として「信念・根拠・覚悟」という3点を各医療者が持つことが必要であること、方法の多元主義(専門性)と価値の多元主義(民主性)の対応関係を間違わないようにすること、自身の思う価値を顕在化し、他者の思う価値も認めすり合わせていくことという考え方や行動の基準を知ることができ、とても勉強になりました。
Cコース 職域・地域架橋型コーディネーター
C-2地域連携型コース 8月活動報告
- 日時
- 2025年8月31日(日)
- 方法
- 東京大学本郷キャンパスにて対面開催
概要
職域・地域架橋型コーディネーター養成C-2コース 8月講義が開催されました。
8月31日午前22q11.2 欠失症候群メンタルヘルス専門外来〜複合的困難を抱える当事者と家族の声を聴く〜
東京大学医学部附属病院精神神経科 熊倉陽介
22q11.2欠失症候群 -重複する障害を抱えた子どもとその家族の生活-
22 HEART CLUB~22q11.2欠失症候群の子どもとその親が集うサークル会員
8月31日午後薬物依存症をもつ人を地域で支える
国立精神・神経医療研究センター部長 松本俊彦
受講生の感想
(22 HEART CLUB様、熊倉先生の講義)
恥ずかしながら、今回の講義で22q11.2欠失症候群のことを初めて知りました。症状や障害それぞれについてはある程度は知っているものの、それらが重複することで生じる困難さがあるということを改めて考えさせられました。「組織間や相談窓口でたらい回しになったとしても、まずは断らないで受け止めてほしい」というご発言を、支援者として重く受け止めて今後の業務に取り組みたいと感じました。貴重なお話をありがとうございました。
(松本先生の講義)
ハームリダクションや「相談より雑談」が理に適っていることがよく理解できました。身の周りには薬物依存をスティグマ化しようとする言説がまだたくさん横たわっており、それに対して違和感を覚えることに不快さを感じてきましたが「支援者側がまず脱スティグマ的な認識と姿勢を持つこと」という基本姿勢をご提示いただいたことが、さしあたっての答になりました。まだ具体的に何ができるかわかりませんが、依存症に対する眼差しを参考に、地域へのアプローチが何かできたらいいなと考えました。
Cコース 職域・地域架橋型コーディネーター
C-1コース 7月活動報告
- 日時
- 2025年7月13日(日)
- 方法
- 東京大学本郷キャンパスにて対面開催
概要
職域・地域架橋型コーディネーター養成C-1コース 7月講義が開催されました。
7月13日午前被害者支援~TICに基づく支援と支援者支援~
被害者支援都民センター 鶴田信子 心理相談担当責任者
7月13日午後精神分析
大正大学臨床心理学部 池田暁史 教授
受講生の感想
(鶴田先生の講義)
冒頭、の安全で安心な日常が、突然事故や犯罪に巻き込まれ、日常が一変していくお話を聞き「一変」し「信頼」が「不信」に変わることを想像したときに、ようやく「犯罪被害者」の方のおかれた状況や景色が部分的でしょうが理解できたように思います。
日頃、地域で障害のある方の相談支援を行う現場では、「犯罪」「刑事事件」にまで行きつく事案はそう多くはないのですが、表面に出ている「パニック」や「問題行動」や「症状」の「トラウマ反応」にばかり目を向けずに、日ごろの相談支援の場面から「リマインダー」についても意識を向け、しっかり拾い共有していきたいと思いました。
(池田先生の講義)
ご講義、興味深い内容で精神分析について、新たな視点や学びを得ることが出来ました。クライアントがそう思うのなら、それが現実であり、体験をどう意味づけるか、何がおこったと思っているのかという点に着目するという心的現実論についても再認いたしました。その人が何があったと思っているかが、その人の人生を決めるとのことでしたが、だからこそ、現在の関係性の意味づけを変えることで変容を起こすことができる面談の時間を大切にしていきたいと思いました。
Cコース 職域・地域架橋型コーディネーター
C-2地域連携型コース 6月活動報告
- 日時
- 2025年6月15日(日)
- 方法
- 東京大学本郷キャンパスにて対面開催
概要
職域・地域架橋型コーディネーター養成C-2コース 3月講義が開催されました。
6月15日午前共同創造~研究・医療・医学教育における導入の試みから学んだこと~
国立精神・神経医療研究センター 山口創生室長
東京大学 医学のダイバーシティ教育研究センター 里村嘉弘准教授
東京大学医学部附属病院精神神経科 金原明子助教
5月18日午後共同創造~様々な場所における当事者の活躍~
精神障害当事者会ポルケ 山田悠平代表理事
東京大学 医学のダイバーシティ教育研究センター
佐々木理恵学術専門職員・ピアサポートワーカー
受講生の感想
(山口先生、里村先生、金原先生の講義)
4月の講義で取り上げられていた当事者研究が当事者発信の言葉や概念を形成する過程で、それを研究や実践に反映させていく過程が共同創造であるというお話は個人的に腹落ちしました。思いがあってもうまく表現できないと世の中に伝わっていかないと思いますし、この過程を通じて共同創造の場が活発化すると感じました。
(山田先生、佐々木先生の講義)
講義の中で紹介された「私たちのことを私たち抜きで決めないで」という障害者権利条約のスローガンに触れたとき、強い衝撃を受け、自分の中の無意識の偏見に気づかされる思いがしました。また、私たちが日々の中で持ちうるアンコンシャスバイアスについても改めて考えさせられ、今後はそれに対して常に自覚的・慎重でありたいと感じました。看護職として、多様な価値観や立場に寄り添う姿勢の大切さを再認識する貴重な学びとなりました。
Cコース 職域・地域架橋型コーディネーター
C-1コース 5月活動報告
- 日時
- 2025年5月18日(日)
- 方法
- 東京大学本郷キャンパスにて対面開催
概要
職域・地域架橋型コーディネーター養成C-1コース 5月講義が開催されました。
5月18日午前総合病院の心理臨床と支援者支援
国家公務員共済組合連合会虎の門病院 舘野由美子 心理部室長 臨床心理士/公認心理師
東京医療センター精神科 千葉ちよ 臨床心理士/公認心理師
5月18日午後トラウマ焦点化治療
兵庫県こころのケアセンター 亀岡智美 副センター長
受講生の感想
(舘野先生、千葉先生の講義)
今まで、臨床場面でチーム医療がうまく行ったと感じることがあまり無く、傷付いても自身の認知の問題であったり、合理化の様な形でそうなるのも仕方のない事と思っていました。しかし、今回の講義の中で千葉先生や舘野先生がご自身の感情を仰っている姿や、支援者に支援が必要という言葉を聞いて、私たちもケアの対象であり、その様に感じること自体が悪い訳ではないと安心しました。私の職場は、支援者という立場上、そういう部分を見せることに抵抗がある様に感じますが、部署に持ち帰り反映していきたいです。
(亀岡先生の講義)
トラウマに関するさまざまなお話を、具体的な事例も交えながら丁寧にご紹介いただき、非常に学びの多い時間となりました。理論だけでなく、実際の臨床で直面するような具体例を通じて説明していただけたことで、自分自身の中でも理解が深まり、明日からの実践にどのように活かせるかという視点で考えることができました。また、トラウマを抱える方々への関わりにおいて、私たち支援者がどのような姿勢で向き合うべきかを改めて見つめ直す機会ともなり、とても意義深い講義でした。今回の学びを自分のなかで一過性のものにせず、日々の臨床に継続的に反映させていきたいと思います。ありがとうございました。
Cコース 職域・地域架橋型コーディネーター
Cコース合同 4月活動報告
- 日時
- 2025年4月20日(日)
- 方法
- 東京大学本郷キャンパスにて対面開催
概要
職域・地域架橋型コーディネーター養成コースC合同 4月講義が開催されました。
4月20日午前TICPOCオリエンテーション
笠井清登 熊倉陽介 TICPOC スタッフ
4月20日午後障害の社会モデルと解釈的不正義
東京大学先端科学技術研究センター 熊谷晋一郎 教授
発達障害者の当事者研究~コミュニケーションの手前にある身体的特徴に着目する~
東京大学先端科学技術研究センター 綾屋紗月 教授
根っこから変えるんじゃない。今のままやれることをやる。
ダルク女性ハウス 上岡陽江 代表
受講生の感想
(TICPOCオリエンテーション)
プログラム全般に渡る安全性を最初にご説明いただき、より積極的にプログラムへ参加したいという気持ちになることができました。
笠井先生・熊倉先生からTICPOCの成り立ちをうかがい、何もないところから立ち上げられた経緯を知りました。成り立ちそのものが権力の不均衡性をできるだけ排除する試みであったことや、当事者研究のような対話を経て形つくられたことを知り、これまで関わってきた心理臨床の現場に流れる空気とは良い意味で全く違うものを感じました。プログラムからこの先の仕事に携わるにあたってのヒントを多く得られることを期待しています。
午前の講義で印象に残っているのは、TICPOCという概念は現在進行形であるというお話です。そこから考えたのは、TICPOCは自身の実践を振り返りまとめ直す/今後の自身の指針を考える際の思考の軸になるのでは、ということです。私自身は行政の中にあるためか、なかなか当事者との協働、組織の変革ということに難しさを感じています。一方で、難しさを感じているということは、そこに課題意識があるからこそです。常に課題意識を持ちながら、そしてそれがすぐには改善しないままに業務をすることは苦しいことではありますが、その苦しさを抱えるうえでも、この学びの場が大切であるとあらためて感じました。
専門用語を控えることや守秘義務についてなど、ルールを明確に示してくださったことで、「怖さ」が解消された。言葉で伝えることは、こんなに安心感を与えるものなのかと当事者として思った。何でも当たり前にせず、言語化することを大切にしていきたい。「介入のターゲットは支援者側なのではないか。」という言葉にハッとした。自分のもっている価値を意識できないまま支援することは、何と恐ろしいことなのだろうと思った。「TICPOCとは?」と、誰も分からない所からスタートしたという話も興味深かった。とりあえずやってみるという考え方を日々の生活で取り入れると、もっとラクに挑戦していけるのだろうと思った。
(熊谷先生・綾屋先生・上岡先生の講義)
支援者として白旗を上げるというお話、質疑から出てきた合理的配慮に関するお話など、当事者でないから理解が難しいという点の言語化を助けていただいたような時間でした。これが全てではないし、私たち支援者がまだ自覚していない価値や概念があるのだろうと思いました。支援者としての無力さも自覚しながら当事者と何を創造できるのか、今後少しずつ学びや理解を深めていきたいです。
上岡先生のエネルギーの高さに圧倒させられました。当事者と支援者の埋まらない溝のようなものを感じながら日々臨床にいます。当事者ときちんと向き合って話し合えているのか、本当に支援してほしいことに気がつけているのか、それを引き出せているのかと自問自答しています。マイノリティに対する考え、意識をできているのか?日本人は右にならえの習慣が強いため、逸れる者を排除しようとする話しだと思います。自分もそれに流されてしまうことは多々あるので、自分を見つめ直すところから始めていきたいと感じました。